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2015年04月04日

桜島火山噴火と川内原発の危険性


桜島火山噴火と川内原発の危険性

今回も、週刊プレNEWSからご紹介しています

■鹿児島湾は巨大な噴火口跡だった

1914年の桜島「大正噴火」では南東斜面から溶岩が流れ下り、全壊家屋120棟、死者58名の大惨事になった。次いで46年には東側の新火口(昭和火口)から溢れた溶岩流が大正噴火の溶岩では埋めきれなかった東側海峡を覆い尽くし、桜島と大隅半島は完全な陸続きになった。

昭和火口から出る溶岩は粘性が低く、短時間に広範囲へ流れる危険性が指摘されてきた。果たして、今回の“平成噴火”はどうなのか? 鹿児島県危機管理局防災課によると、

「火砕流と溶岩流出の範囲については、地形を細かく分析したハザードマップ(災害予想地図)が完成しているので、これを防災対策に活用します。

ただし1月半ばの専門家を交えた定例検討会では、大正・昭和大噴火ほどになる前に終息するのではないか、という見通しがまとまりました」

だが桜島直下3~6kmにあるマグマだまりでは、昨年12月前半からマグマ蓄積量が急増している。その一部がついに山体の長い火道を突破して噴き出し始めた現状を見れば、火山活動は終息どころか、これからが本番ではないのか。

では、なぜ桜島のマグマだまりは増えているのか? 前出の石黒氏によると、

「マグマとは深さ地下100km以上で作られた、高圧高温のマントル物質や、プレート衝突の圧力で熱溶解した地殻物質の一部で、周りの岩石より比重が軽いので上昇する力が強い。それらが地殻内部のあちこちに集まったものがマグマだまりです。しかし、桜島の地下にあるマグマだまりでは、実は近くの別のマグマだまりからマグマが移動してきて蓄積されているのです」


その「別のマグマだまり」は、桜島北側の鹿児島湾地下10km付近に潜んでいる。桜島直下のマグマが噴火で消費され圧力が低下すると、この北側の深いマグマだまりからパイプ状のルートを通り、新たなマグマが追加されるのだという。

そしてこれが、今回のレポートの重要テーマ「カルデラ破局噴火」と関係してくる。この火山学用語を小説で世に広めた石黒氏は、こう説明する。

「この鹿児島湾北部のマグマだまりでは、2万2000年前頃にすさまじい規模の爆発的噴火(破局噴火)が起きました。桜島の北側はそれまで陸地でしたが、そこに直径約20kmの巨大な火口が現れ、マグマを出しきった後の円いクレーター状陥没地形に海水が入り込んだ。

これが今の鹿児島湾北部で、これを姶良(あいら)カルデラといいます。その姶良カルデラの外輪山部分が薩摩半島と大隅半島のつけ根にあたり、南側部分に破局噴火の名残をとどめているのが桜島です」(石黒氏)

では「カルデラ破局噴火」とは一体なんなのか?

■霧島、桜島、阿蘇で破局噴火の前兆が…

そもそも「カルデラ破局噴火」とは一体なんなのか? この噴火は深いマグマだまりが突発的な大爆発を起こし、短時間のうちに直径数十kmもの陸地や海底の岩盤を粉砕し、高温の火山噴出物となって空中へ噴き出す。それが巨大な「火砕流」と化して、数百kmもの範囲へ広がっていく。

火山研究者の石黒耀(あきら)氏が火山災害シミュレーション小説『死都日本』で描いた「霧島火山群」のカルデラ破局噴火では、宮崎市、鹿児島市をはじめ南九州の各都市が厚さ数十mの火砕流に覆われ、400万人が犠牲となる。これは決して絵空事ではなく、約30万年前に実際に起きた現象を現代に当てはめた科学的シミュレーションなのだ。

九州では、このカルデラ破局噴火が、8万5000年前頃(阿多[あた]カルデラ)から6300年前頃(鬼界[きかい]カルデラ)にかけて、少なくとも4ヵ所で発生。地図を見ればわかるように、それらは「霧島火山帯」の上に南北一列に並び、すべてのカルデラの中に今も現役活動中の火山がたくさんある。

つまり、九州の5ヵ所の巨大カルデラは、遠い昔に終わった火山活動の残骸(ざんがい)ではなく、いつまた超巨大噴火が再発してもおかしくはない「起爆剤=マグマだまり」を抱えているのだ。

しかも、そのマグマだまりが最近になって明らかにパワーを強めてきた。桜島のある姶良(あいら)カルデラの海底下では、すでにマグマだまりが満杯状態になり、大正大噴火から現在までに海底全体が約1.5mも上昇した。

また霧島火山群(加久藤[かくとう]カルデラ)でも、ここ4年間でマグマだまりが異常膨張を続けてきた事実が国土地理院の精密GPS観測でわかった。

つまり、2011年の霧島山・新燃岳(しんもえだけ)噴火と、今回の桜島噴火は、もしかするとカルデラ破局噴火の接近を告げるシグナルかもしれないのだ。

続く


  


Posted by 瀬戸 武志 at 09:06Comments(0)原発・地震